法事にはそれなりに参列しているにもかかわらず、マナーや作法がわからなくなってしまうこともしばしばかもしれません。日常的なものではないため、細かなマナーを忘れてしまうのは当然です。
とはいえ、当日になって恥ずかしい思いをしてしまわないように、法事や法要のマナーをおさらいしておきましょう。今回は、法事のマナーについて解説します。
まずは法事についておさらい
法事と似ている言葉に「法要」がありますが、法要とは、故人の冥福を祈るためのご供養のことです。法事の意味にもご供養が含まれていますが、ご供養後の会食などなども含めた行事をまとめて「法事」と呼んでいます。
現代では細かく区別する必要はなく、法事も法要も同等の意味として扱われるようになっています。
法事のマナー①事前準備に必要なことは?
続いて、法事に呼ばれた際のマナーについてご説明します。まずは法事に行くまでの準備についてです。
案内の返事はすぐに出す
法事の案内状は、出席欠席問わず、受け取ったらすぐに返事をするようにしてください。これは事前準備の際に、施主が出席人数を把握しておくためです。とくに食事付きの法要の際には、施主に負担をかけないためにも、早めに返事をする必要があります。どれだけ時間がかかっても、一週間以内には返事を出すようにしてください。
また、法事は招待を受けた場合にだけ参列するのがマナーです。こちら側から参列の催促をするのは慎みましょう。
法事の持ち物は?
法事当日の持ち物は、以下のようなものになります。
・数珠
・香典
・ふくさ
・ハンカチ
・ティッシュ
・時計
上記は最低でも持っておいた方がいいでしょう。なかでも数珠と香典は、絶対に忘れてはいけません。
女性の場合ですと、替えのストッキングや簡易的なエプロンなどがあると、突然ストッキングが破れてしまった際や、お給仕のお手伝いをすることになってしまった場合に、思わぬ助けになることがあります。エプロンはできれば黒いものを用意しましょう。
法事に参列する服装は?
法事にも適した服装があります。 基本的なマナーはあるものの、施主側の意向によっても異なるため、できることならその都度問い合わせるのが望ましいです。
基本的には一周忌の法事までは喪服で、回を追うごとに略式になっていく傾向があります。はじめのうちはダークグレーや濃紺のスーツやワンピースなどを合わせますが、徐々に色を薄くしていっても構いません。三回忌以降になると、地味な平服であることが多くなっています。
なお、最近では「平服」と書かれていると、普段着でいいと勘違いしてしまう方も多いようですが、平服は「略礼服」のことです。男性はダークスーツ、女性は地味なワンピース、またはアンサンブルを着用しましょう。
法事マナー②会場で気をつけることは?
当然でうすが、開始時間には、決して遅れないようにしましょう。時間にゆとりをもって、20分から30分ほど早めに到着されているのがおすすめです。
久しぶりに会う親戚との話は大いに盛り上がるでしょうが、大声で騒いだりはしゃいだりするような場にそぐわない行動は慎んでください。できるだけ静かに、慎ましやかに故人を偲びましょう。
また、いうまでもありませんが、法事の途中で帰宅してしまうのはマナー違反です。よほど特別な要件がない限り、最後まで参列するようにしてください。
法事会場に到着した際は、受付で手続きをします。そこでご香典をお渡ししましょう。施主の方に余裕がある場合には、「本日はお招きいただき、ありがとうございます。一緒にご供養させてください」と、招かれたことへのお礼を伝えましょう。
法事のマナー③香典はどうする?
法事にまつわるマナーの中でも、とくに気になるのが、香典の中身や表書きではないでしょうか?最後に、香典についてのマナーをご紹介します。
香典の相場は?
香典の金額は、関係や血縁によって異なります。また、食事の有無によっても調整する必要があるでしょう。
血縁関係者の場合
・法要のみの場合は1~3万円
・食事つきの場合は2~5万円
血縁関係のない場合(友人や知人)
・法要のみ場合は5千円~1万円
・食事つきの場合は1~3万円
血縁関係のない場合(お世話になった人)
・法要のみの場合は1~3万円
・食事つきの場合は3~5万円
ただし、これはあくまでも平均的な相場ですし、年代によっても異なります。同席する方の意見を参考にするといいでしょう。
香典ののしは?
香典は、のし袋に入れて渡します。表書きには「御仏前」「御供物料」と表記しましょう。
まとめ
法事にはいろいろな決まり事があって難しい部分もありますが、マナーに則ってひとつずつ確認すれば、間違うことはありませんのでご安心ください。今回お伝えした最低限の法事マナーを覚えておけば、法事の当日に困ることはないでしょう。
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